昨日、酒さのコレクチム軟膏に関して記事を書いたら、思いのほかアクセスがあったので、関心の高さを感じました。
結果的にコレクチム軟膏は、酒さの治療には望みが薄いのですが、調べていく中で漢方薬が使えそうな感じだったので情報を載せておきます。
既に酒さの治療で漢方薬を処方されている人は、漢方薬は種類によって飲み合わせがあるので、診察医や薬剤師に相談をしてください。
漢方薬の治療
漢方薬は、いくつもの生薬を調合して作った治療薬です。体重や、組み合わせる漢方薬によって量が変わります。ただクセがあるので、飲んでみて気分が悪くなったり、匂いも嗅ぎたくないくらいな人もいます。
私はアトピー治療で病院で勧められて、そのまま調合して出してもらったのですが、私の処方された調合では口あたりが悪く、とても続けられるものではありませんでした。
ただし、いくつも組あせる事をせず、単品利用などで使う場合は、漢方薬が初めての人でも比較的飲みやすいかも知れません。そして酒さの治療でも使える漢方薬がありました。
酒さで使える漢方薬「十味敗毒湯」
酒さ専用の漢方薬とかではありませんが実績もあり、この薬自体は珍しいものでもありません。以下の十味敗毒湯の説明をします。
①薬効
引用します
- 【働き】
- 十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)という方剤です。皮膚の赤みやカユミを発散し、腫れや化膿をおさえます。また、そのようになりやすい体質を改善します。体力が中くらいの人に向く処方です。
- 【組成】
- 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。十味敗毒湯の構成生薬は下記の10種類です。皮膚病の病因を発散させる“荊芥”や“防風”、排膿を助ける“桔梗”、炎症をひく“柴胡”、血行をよくする“川きゅう”などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
「皮膚の赤みやカユミを発散し、腫れや化膿をおさえます」というのは、酒さの最大の悩みだと思うので、効果が期待されますね。
「なりやすい体質を改善します。体力が中くらいの人に向く処方です」と言うのも、体質を変えてくれると言う事で、一時的な軽減だけでないのが嬉しい限りです。
②注意点
引用します
-
【注意する人】体がひどく弱っている「著しい虚証」の人には向きません。また、食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢など、胃腸の弱っている人は慎重に用いる必要があります。
【飲み合わせ・食べ合わせ】芍薬甘草湯など甘草を含む他の漢方薬といっしょに飲むときは、「偽アルドステロン症」の副作用に注意が必要です。
・飲み合わせに注意 甘草含有製剤、グリチルリチン(グリチロン等)など。
漢方は、今の体調によって、効果が出すぎたりする場合もあるので、極端に体力が落ちている時とか、風邪気味などの時は、体力が回復してから試す方が良いと思います。
③副作用
漢方薬にも少しは副作用があります。人によっては、服用時にむかついたり、かえって食欲がなくなるかもしれません。しだいに慣れることが多いのですが、つらいときは医師と相談してください。
重い副作用はまずありませんが、配合生薬の甘草の大量服用により、浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がってくることがあります。「偽アルドステロン症」と呼ばれる症状です。複数の方剤の長期併用時など、念のため注意が必要です。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 偽アルドステロン症..だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、手足のしびれ・痛み、筋肉のぴくつき・ふるえ、力が入らない、低カリウム血症。
【その他】
- 胃の不快感、食欲不振、吐き気、下痢
- 発疹、発赤、かゆみ、じん麻疹
私も漢方薬での治療経験がありますが、「漢方薬は生薬で自然のものだから副作用は無い」という記事を目にする事がありますが、副作用はあります。
主たる目的以外の変化が悪い方に出たものは、それってやっぱり副作用ですよね。だからこそ、最初は少量から試したいなぁと思いながら、いつも皮膚科や漢方の薬局で思っていました。
いきなり一か月分も出されても、飲めない時ありますもん。
④治療実績
十味敗毒湯 単体での治療実績について色々調べてみたら、ありました。大阪八尾市のわたなべ皮膚科です。引用します。
酒さの治療としてはテトラサイクリン系の抗生物質の内服やメトロニダゾールの内服が挙げられますが、いずれもニキビ様のぶつぶつに有効な薬剤であり、びまん性の紅班への効果は劣るとされていました。
私は1995年に従来はニキビに効果があるとされてきた漢方薬、十味敗毒湯が酒さのびまん性紅班に著効を示すことを始めて報告しました(1)。現在に至るまで、少なくとも1000人以上の酒さの患者さんに処方し、90%以上の症例で投与後7日以内に、顔のびまん性紅班が著明に改善しました。
八尾市周辺の方は、一度診察行かれても良いかも知れません。私は十味敗毒湯を飲んだことが無いのですが、出来るなら飲んでから決める方が良い気がします。漢方薬はホントに良かったとして、飲めない時が多い。。。
⑤市販品ではどこで買えるか
酒さでも使われる漢方薬ですが、ほかの治療でも古くから実績があるので、ドラッグストアやネットでも購入できます。漢方薬の処方には、薬事情報とか注意書きがありますので、最初は少量の購入で試してください。
扱っていないドラッグストアもあるので、一応ネットのリンクを貼っておきます。ここまで見て「役に立ったなぁ」って思ったら、以下から買ってみらえると、ちょっと嬉しいです。
①クラシエ 十味敗毒湯 (粒)
1日3回 一回4粒 8日分 → 96錠 希望小売価格:2,362円(税抜)
②ツムラ 十味敗毒湯 (粉)
包装:20包(10日分) 希望小売価格:2,400円(本体価格)+消費税
包装:48包(24日分) 希望小売価格:4,300円(本体価格)+消費税
他にもメーカーはありますが、好き嫌いあると思うので、メジャーなメーカーのを選びました。多少口当たりや、濃さで違いがあるかも知れません。今回の2メーカーは、1箱に入っている量もあるので、お好みで選んでも良いかも知れません。
私の漢方を飲んだ所感では、粒よりも粉の方が効き目が良い気がします。ただし、粒の方が飲みやすいです。
紹介した所以外でもネットでありますが、私はいつも送料の問題と、取り寄せ商品・出荷までの日程・発送方法で考えて注文します。欲しいとなったら、出来るだけ早く手元に欲しいので。
過去に値段で選んだら、取り寄せ商品で、しかもメール便での配送になり、12日も待たされました。とは言え、値段も大事ですので、最安に拘るのであれば、他を探してみてください。一応、自分なりにお値打ちなので、早いのを探したつもりです。
最後に
普段私は、アトピー性皮膚炎の治療についてブログやTwitter、YouTubeで発信していますが、酒さや酒さ様皮膚炎に関しては、知識がありません。私の浅はかな調べ事で参考になるか分かりませんし、「もうそんなの知ってる」って情報であったら、申し訳ないです。
とは言え、あなたの症状が少しでも軽減する事を祈っております。
引用先
十味敗毒湯
わたなべ皮膚科・形成外科
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