私たちアトピーの患者で、特に重症のアトピー性皮膚炎の人は、病院で血液検査をしたことがあると思います。
その中でも、IgEとTARCを聞いたことあると思いますが、何を表し何のためになるのか、知ってますか?
アレルギーなどの「度合い」を数字で見ることができる 「IgE」と「TARC」。
もっと細かい値には、免疫細胞の数値などもありますが、今回はIgEとTARCを知る事で、私たちが快適に生活するためのヒントが掴める事を紹介します。
- 血液検査はしてるけど、何の為にしてるか分からない
- 「先生が薬を出す為だけに使ってるんでしょ?」
と思っている人は、せっかくお金出して検査してるわけですし、あなた自身で活用できるのです。参考になるかも知れませんので、よかったら最後までご覧ください。
IgEとTARC値が示すもの
IgE(アイ ジー イー)はアレルギーの総合値
私の知り合いの皮膚科の先生はよく「IgEは、結果です」と言われます。
この値大きいから、アトピーなんだという事ではないという意味だと思います。
アトピーでは無くても、アレルギー症状は沢山あります。
- 花粉症
- アレルギー性鼻炎
- ぜんそく
- 食物アレルギー
など
このような人は、総じてIgEの値が高い傾向にあるようです。
TARC(ターク・タルク)はアトピー度
ものすごくザックリ言うと、アトピー性皮膚炎の症状の重症度を測るための検査です。
TARCは数字で表され、重症になれば高く、軽症であれば低くなります。
身体や顔に、赤み(炎症)や傷が多い場合、TARCの値は高い可能性があります。
逆に、赤みが少ない時、かゆみが無い時は、TARCの値は低いと思われます。
自分のアトピー治療が順調に進んでいるのかを把握する数字だと思って良いです。
IgEの正常な値は170
一般的には、170以下の値が正常値と言われています。
病院によっては250以下と言われる所もあるようですが、「1,000」を切ると、見た目が変わってくるし、何よりも体感的にも「痒みを感じない」生活が増えます。
TARCは700以下だと体が楽
一般的な成人の値
450以下 | 健常者 |
700以下 | 軽傷 |
700以上 | 中等症 |
私のフォロワーさんに、3,000超えの人もいます。
小児(2歳以上)の値
760以下 | 軽傷 |
760以上 | 中等症以上 |
正常値に戻すために
IgEの値を正常にするためには、色々な方法があるでしょう。
食べ物アレルギーの人は、それを避ける事で、値は高くても健やかに生活が送れると思います。
避ける事の難しいものもあるでしょう。花粉やハウスダストは、正直なかなか徹底するのは難しいと思います。
最近では「減感作療法」といって、口からアレル物質を吸収させて、身体を慣らす方法があります。一定の効果が望める人もおられますが、効果が表れるまでの期間が長く、お薬の毎日投与があります。
TARCは、アトピーの症状の値ですが、この値を落とすのが大変です。
ただし、身体の研究が進み、TARCが上がる仕組みがわかるようになり、その値を下げるための薬の開発も進んでいます。
既に一部の方は利用していると思いますが、アトピーの新薬が沢山出てきました。
注射なら「デュピクセント」。飲み薬だと「オルミエント」や「リンヴォック」です。
免疫の暴走によっておこる「自らの身体を、自分で傷つけてしまう」症状を、抑制する薬です。
免疫を抑える薬として、昔からある「ステロイド」による治療が有名ですが、副作用やコントロールが難しい問題がありました。
新薬はまだまだ、わからない事も多くありますが、今までの薬と違い、副作用の事も加味した研究もされています。
また、アトピーの新薬は、「リウマチ」という病気の薬からのスライドになるため、アトピーで利用される3年くらい前から世間では使われたものが多いです。
重篤な副作用などが無く、安心して使える薬が増え、アトピーを感じさせない生活ができる事は、私たち患者の悲願です。
血液検査の必要性と料金
必要性を感じる2つの理由
自分の身体の反応を知るうえで、知っておいて損はないと思います。
①私は、この数字的な値と、自分の身体の痒みや傷の具合を比べる事で、「これくらいの時なら、こんな生活ができる」などのバロメーターにしています。
花粉の多い季節や、暑さ・寒さ、湿気・乾燥の時期なども合わせて比べてみると、「暮らしやすい時期」なども解り、年間を通して、気を付けるポイントもつかめると思うのです。
②自分の身体のコントロールや、調子の浮き沈みの原因がわかる事での「不安感」を抑えられることは、何よりも快適に生きるための材料になると思っています。
費用は保険適用で6,000円くらい
●TARCの値は、月1までは保険適用で検査可能です。
RAST(特異的IgE抗体検査)というもので、3割負担で4,000円程度。診察代と合わせて6,000円位になります。
なお、中学生までのお子さんは、ほとんどの場合、無料との事です。(無症状での検査や、医師が必要と判断しない場合は、保険適用外)病院によっても、市区町村の制度を適用しない場合もあるので、受付で確認してみてください。
●IgEは、半年に1回なら、保険適用(医師による判断で実施の場合は、その場合ではない)
TARCと合わせて行えるので、費用も一回で両方調べられます。(負担金額は、ほぼ変わりませんでした)
結果が出るまで1週間
検査結果は、用紙に印刷してもらえます。ほとんどの場合は病院で結果として報告をされるので、その時の診察代が別でかかると思われます。
「結果だけ受付で欲しい」と申し出た事があったのですが、「検査結果として出すものなので、診察があります」と言われました。
ネットなどで、血液検査キットなどを使い、郵送でやり取りするものもありますが、病院にいく手間が少ないですが、費用面は病院でのものよりも高い物が多いようです。
手軽で簡単に、お値打ちに検査できるツールが、今後期待されます。
検査にあたって中止しておく薬
抗ヒスタミン剤や、ステロイド剤などの使用をしていても、検査は実施できます。
しかし、他の病気で飲んでいる薬などがある場合は、血液検査の前に、医師に申し出て下さい。お薬手帳を持参すると良いと思います。
吸入系・食物系アレルギーの検査 View39
IgEやTARC以外のアレルギー検査で、よく聞くものに「View39」があります。
39項目の代表体なアレルギー物質に対する反応を診る為の血液検査です。
ハウスダスト・花粉・菌などの吸入系19種類と、食物系の20種類の合計39種類。
費用は、本人負担分で5,000円程度です。
何だか原因がよくわからないけど、皮膚に異常が出た場合などの時に、アレルギーとしての原因を掴むのに適していると思います。
データの参考引用先:
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