少し前からドラッグストアなどの市販品で見るようになった「アンテドラッグ」タイプのステロイド外用薬。医者で出されるステロイドと、何が違うのでしょうか。
アンテドラッグタイプの治療薬が出た経緯や、特徴、注意点、なぜ皮膚科では「アンテタイプ」を扱わないのかを調べました。
症状が悪い時を少しでも早く脱したいと思う人には、有益な情報だと思います。また私が薬の情報を書く事で、「薬の治療を勧めている悪い奴だ」と思う人もいるでしょう。
私は日常的に、アトピーの症状が出始めると、積極的に薬を使います。悪い状態を長引かせることで、快適に暮らす事が出来ないからです。ご存じのようにアトピーは、皮膚の病気でもあり同時に、長引く事で精神的な部分でも影響します。
そうならない為に、出る杭は打つ。早めに対応する事で、１日でも、１秒でも悪い状況から脱却したいので、薬を使います。とは言え、Twitterで私をご存じの人は、私がそこまでに頼った生活にしていない事はご存じだと思うので、決して薬に頼り切った治療をしていない事が解っていただけると思います。
薬を上手に使う上で、今回のような情報も提供していく予定です。
アトピーに効くのか？アンテドラッブタイプのステロイド治療薬
アンテドラッグは、ステロイドの成分が入った治療薬です。市販薬の外箱にも記載されていますが「特定の部位でのみ強く作用し、体内に吸収されることで急速に不活性化し、効果を失う薬剤」と書いてあります。
一般的に病院で処方されるステロイドとは、効き方に違いを付けている訳です。理由は簡単です。ステロイドには副作用が多く、使う期間が長くなる事で、皮膚の萎縮や、毛細血管の拡張がおこる可能性があるからです。
そのような問題を緩和するために、薬の分子に工夫をする事で、投与部位でのみ効くようにしたり、体内に入ると不活化するようになっています。あなたが使っているステロイドのレベルが２の「Medium」の場合、体内で吸収分解される段階では、一段レベルの低いレベル１の「Weak」になるのです。
これにより、全身的に副作用が及ばないようにしている訳です。体への負担が減って、効き目があるのであれば、これほど良いものはありません。
アンテドラッグの使用上の注意点
医者に診てもらう事なく、ドラグストアで買えるわけですから、どこに塗るのかを自分で判断するわけです。
多い問題として、①塗る場所の間違い ②塗るランクの問題 があります。
使用する薬には、どこに塗って良いのか、ダメなのか記載があります。その指示をしっかり読まないまま使う人がいます。実際私も、市販薬の使い方は、買う時には見ても、パッケージから開けてしまえば、箱と薬情は捨ててしまう事が多いです。
また、症状によっては、アンテドラッグでは用を足さないレベルの時もあります。つまり、それでは効かない訳です。
更に、アトピー歴は長くとも、実はアトピーに見えて違う皮膚炎になっている場合もあります。その場合、ちゃんと塗っていても効かない場合もあります。自分判断でしている治療である事を認識しないといけません。
いくら副作用が抑えられている商品であっても、間違った皮膚炎に対して使えば、場合によっては炎症を広げる場合があります。その点の注意が必要です。
医者でアンテドラッグを出さない理由
結果から言うと「アンテドラッグを出す必要が無いから」というものです。細かく解説します。
医者は、病院に来る患者に対して、苦痛を早く取り除くための仕事をしています。つまり、短期間に治す事を前提にしています。少しひねくれた患者の人は、「患者が減ってしまうと、儲からないから」という人もいますが、医者に失礼です。
アトピー以外にも皮膚科には、沢山の患者が来ます。治りにくいアトピーの患者が減ってくれる方が、医者にとってはありがたい位ではないでしょうか。考えてみると解るけど、商売をしていて来る客が皆「病人」なのです。朝から晩まで、病人が自分に向かってくる。
そんな仕事を「お金が儲かるから」という理由で、一生続けるような仕事を私はしたくありません。アトピーにとって医者は、戦う相手ではなく治療のための必要なパートナーです。基本的にお医者さんは、根は良い人です。
話を元に戻しますが、医者は、短期間で症状を緩和する為には、①適切な薬を②適切に使う という治療方針です。ダラダラと長く使わせたくないと、普通の皮膚科医は思っています。
アンテドラッグのような薬は、言うなれば「効果の薄い」商品なわけです。副作用が少ないという考え方よりも、長引かせず早く良くしたい方を優先している訳です。
もちろん最近は先生も、ステロイドの副作用を診察の段階でバンバン言ってくれる先生もいます。一昔前は「ステロイドに副作用なんて無い！」と言い張っていた医者も、今ではステロイドを緊急用に使い、プロトピック軟膏や、新薬のコレクチム軟膏を使う先生も増えてきました。
ドラッグストアで手軽に買えてしまう「アンテドラッグ」のステロイドは、患者が間違った部分に塗ったり、アトピー性皮膚炎ではない場所に使ったりして、炎症を広げてしまう場合があります。
そういった事も、診断する事で、症状にあった投薬が出来るわけですから、あえて「アンテドラッグ」を使う意味がないのです。
ちなみに、アンテドラッグも、普通のステロイドも、トータルの金額に差はありません。アンテドラッグは大体１,０００～２,０００円で買えると思います。一方病院を受診しても、診察代と薬代を合わせ３割負担としても、２,０００円以内で治まるはずです。（処方された薬の数によりますが）
どっちを選べば良いのか
答えとしては、あなた次第です。病院がやっている時間帯や曜日に、医者に行けない人にとっては、市販薬が便利です。先述したように、間違った使い方をしない限り、アンテドラッグのメリットである「特定の部位でのみ強く作用し、体内に吸収されることで急速に不活性化し、効果を失う薬剤」が体の負担を軽減します。
とは言え、ステロイドに比べて、効果が薄いという意見もありますし、医師の指導が無い分、自己判断に頼り結果として上手に使いきれない部分がある事は、認識しておきましょう。
最後に
ステロイドが入っていないアトピー治療薬（新薬：コレクチム軟膏）も増え、市販薬でもステロイドが無いっていない かゆみ止め も多く存在します。
あなたのアトピーの主要な苦痛が「痒み」「炎症・赤み」「湿疹」のどれかにもよりますが、快適に暮らせれるようになる為に、今後も経験も踏まえて情報提供をしていきます。
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