アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方

アトピーのステロイドの正しい使い方 アトピーと薬・サプリ

ステロイドには3種類あり、強さにランクもある。まず種類は「注射」「内服」「外用」です。皮膚科で外用として軟膏を処方される人が一番多いのではないか。アトピーで受診しなくても、湿疹とか痒みが出た場合、ほぼこれが出る。

 

現代のアトピー性皮膚炎の「標準治療」はステロイドによる軟膏治療だと言われています。標準というからには、いくつかの決まりもある訳です。最近の皮膚科の先生は、忙しいのか、もしくは患者を見下しているのかわかりませんが、何の説明もなく薬だけを出す医者が多い。

 

聞かない患者ももちろん悪いけど、処方して保険点数加算し、医療報酬を受けている病院なので、その責任を果たしていないのは違反だと思う。薬には薬情があるのだから、それを見ろ!というかもだが、使い方だけでなく、塗り方もちゃんと教えて欲しい。

 

実際に診察しているのだから、「ここの部分にはコレね!」とか、「これくらいの湿疹には、こんなふうに塗ってね!」と教えている声を聴いたことが今までに一度も無い。

 

不満を言ったらキリが無いが、私達アトピーは薬をもらいに病院に行っているのではない。アトピーを治しに行っているだから、やっぱり原因という物を知りたいのです。

 

私のアトピーの原因をズバリ言い当てるのは難しいかもしれない。正確に判断するには、ライフスタイルや仕事、食べ物、余暇の過ごし方などを聞かないとわからないはず。しかしこれに至っても、聞かれた事が無い。

 

ステロイドの危険性の前に、ステロイドを安易に出して、ろくな指導をしない医者こそアトピーの私達にとって一番の危険なのかもしれない。おかしな話だ。

アトピーのステロイド治療の危険性

長期で使うと効かなくなる

「ステロイドは、塗り続けると効かなくなる」という話をよくきく。そして私自身、今までに何度か、塗っていたステロイドが、段々効かなくなり、どんどん強度も強いステロイドになっていった事がある。

 

私は最終、塗り薬で効かないので、2週に1度注射をしていた。大学生の時である。バイトも忙しかったので、原因よりもまず身体の痒みを抑えるために、せっせと通っていた。

 

そしてその注射の間隔も、段々短くなり、1週間もたなくなった時に初めて「先生、注射でも効かない場合、どうなるんですか?」と。先生は「うちの病院ではもう診れないから、大きな病院を紹介します」と言われた。もう既にやばい状態でした。

エビデンスは無い

しかし、実はステロイドを「長期で使うと効かなくなるエビデンス」は無いというのです。でも、実際私はそれを経験しているし、同じような人はかなりの数がいます。どちらが正しいのでしょうか。一つ言えることは、エビデンスは「過去の事例」から出来るものであって、最新ではないとい事だ。

 

これに関しては、アトピーの専門医で京都大学医学部の大塚篤司先生もこう言っている

医学はエビデンスで支えられている学問である。そしてエビデンスは常に「後追い」である。(著書:147ページ)

アトピーの治し方の本

エビデンスは無くても、「ステロイドを使い過ぎると副腎からの自前のステロイドが出なくなる」とよく言われています。自前のステロイドは、私達の身体のストレスに対抗するホルモンで、痒みを抑えるホルモンなのです。副腎が正常でなくなるから、私達のアトピーは広がるのだと思われます。

 

ステロイドを使い続ける事で副腎が機能しなくなる場合も、生活の中のストレスや不摂生が原因で副腎のホルモン生成がおかしくなる場合でも、どちらであっても、副腎という臓器が関連している事が大きい事がわかります。

関連おススメ記事:「アトピーでステロイドを使いすぎているか解る方法と、弱った副腎機能をもとに戻す3つの方法」 → リンク

ステロイドの正しい使い方

症状と場所によって塗るステロイドの強度を変える

強度

ステロイドによって、傷がだんだん治ってきても、強い強度のものをダラダラと使っていてはいけません。その症状によって、強度も下げていく必要があります。無駄に強いものを使う事は、ステロイド依存症になる可能性もある。

 

皮膚科の指導を受けてみると、自分が思っていたよりも、少し強めのものを使う事を言われる。最初ためらったが、弱いのをダラダラ使うより、最初は強く、経過を見て弱くする方が、結果的に傷の治りが早かった。

 

皆さんも経験があると思うが、ケガなどの傷も治りかけのカサブタが一番かゆい。アトピーの傷も、治りかけの時に掻いてしまい広げるケースはある。弱い薬を使うと、炎症や傷の状態が長くなる。長くなると当然、色素沈着も濃くなる事を、自分の身体で実感しています。

場所

ステロイドのランクによっては、塗ってはダメな場所がある。例えば皮膚の薄い場所。顔は、腕などに比べて13倍もステロイドの吸収率が高いようだ。逆に、足の裏は、腕と比べて0.14倍しか吸収されないようだ。

 

それだけでななく、例えば目の周りに、強度のステロイドの塗布は、緑内障になったりするし、弱すぎるステロイドは長期間目の周りが痒くなるので、無意識に目の周りを叩く事で白内障になるケースもあるそうだ。

私の場合

ついつい面倒で、腕や足用に処方されたステロイドを、皮膚の薄い顔や陰部に塗る事があるが、一番悪いパターンだ。顔に至っては、自己判断せずに皮膚科で指導をしてもらう方が絶対的に良いと思います。身体だと服脱がないとだけど、顔だと見せやすいので、しっかりと指導してもらいましょう。

塗り方に注意する

すでに傷や痒みで、皮膚に掻き傷などのダメージがあるので、すり込みは良くない。思っている以上に、すり込むことの摩擦は肌を悪くします。摩擦でさらに炎症が広がり、炎症が長引けば色素沈着を起こし、身体が浅黒くなってしまいます。

 

塗り方は、FTU(フィンガー・チップ・ユニット)と言いのがあります。チューブ入りの軟膏を、人差し指の1関節分です。大体0.5gになるらしい。

 

この量で、手のひら2枚分を塗るのが適正範囲との事です。私場合、身体の太ももの部分で炎症が出て痒いとする時、FTU分を手のひらに取り、手のひら同士を合わせて広げ、それを患部に「パタリ・パタリ」と充てるように塗ります。

 

決してすり込んだり、伸ばしたりはしません。擦ると皮膚が悪くなすし、摩擦で熱を持ちます。パタパタあてるだけ。太ももだと、それでは足りないので、何回か繰り返します。

 

1回で全部の部分伸ばすのではなく、FUT1回で、2枚の手のひら分です。思ったよりも多い量使う感じです。薄いと結局ダラダラ長期間使う事になるので、思い切って良いと思います。

プロアクティブ療法

湿疹やアトピーの症状が出ている所にステロイド軟膏を塗る方法を「リアクティブ療法」と言うが、それに対し「プロアクティブ療法」というものがある。

 

これは、出た症状に対して最初の1~2週間毎日強い薬をしっかり塗るり、痒みが無くなっても、この期間は止めないものです。2週間経ったら、1日置きに間隔を空け塗るのを1・2週間。最後に、2日間隔を1~2週間行う。

 

ステロイドを塗らない期間は保湿のみという治療法です。皮膚の表面には症状が出ていなくても、体の中には反応が出ていて、見た目良くなった段階で辞めてしまう事で、短期間で症状が再燃し、結果体にステロイドを使う期間が長くなるのを抑える物です。

 

私はまだこれに、トライしたころがありません。前にステロイドをどんどん塗っていた時期もあり、効かなくなった事があったからです。

 

しかし、皮膚の表面的に痒みが無くなり「痒くないしこれくらいなら、もう塗らなくても良いか」と辞めた部分が、数日後にまた痒くなる事が実感としてあります。

 

だから、見た目が良くなっても、しばらくはまだ塗っておくほうが良い場所もあると思います。結果的に悪くなりにくいのであれば、その方がトータル使用量が少なく、ステロイドを使わなくてもいい期間も増えそうが気がします。

成人一人が1日に使ってもよい最大量

最強クラスのステロイド(1群:ジフラール・ダイアコート・デルモベート)だと1日10g チューブの軟膏2本分です。

 

一段下の「強」のクラス(2群:アンテベート・フルメタ・マイザー)で1日20g チューブ4本

 

それ以下のクラス(3群:フルコート・ベトノベート・リンデロンV 4群:アルメタ・キンダベート・リドメックス・ロコイド 5群:プレドニゾン)で1日40g チューブ8本分

 

最強クラスを出されている人であっても、使用できる最大量は、けっこうあると思うだろう。使うべきタイミングでしっかり使い、弱めていくことが大事だが、ちゃんと判断できるようになるように、医者には聞かないと解らない。

副作用を言わない医者は、ステロイドの副腎に関する副作用を認めていない医者

私の経験からだが、医者にかかった時に「こんな強い薬を出すんですか?副腎が機能しなくなりませんか?」と言って、再検討をしてくれた医者はいません。

 

言われるのは、「これじゃないと治らないよ」とか「副腎に影響なんて出ないよ」と言われます。

 

きっと、ちょっと知識を持てる患者だなくらいに思っているのでしょうが、すごく腹が立ちます。しかし、そこを張り合ってもラチがあきません。先生もそのように勉強し、医師免許を取られたのです。今の医療の判断ではそうなのでしょう。

 

だからこそ、私達が自らアトピーを治すような努力と勉強をする必要があると思います。言われるままで使っていて、ステロイド依存症や廃人になった私のような人を増やしてはダメです。

あわせて読むおススメ記事:

アトピーでステロイドを使いすぎている事が解る方法と、弱った副腎機能をもとに戻す3つの方法」→ リンク

アトピーでステロイドを使いすぎているか解る方法と、弱った副腎機能をもとに戻す3つの方法

自分がステロイドを使いすぎていないかを副腎の状態をもとに解説しました。ステロイドが効かなくなる問題や、ステロイド依存症状を和らげるために「副腎機能の回復」は必須です。方法も3つ紹介します。

 

「アトピーの皮膚科との付き合い方」 → リンク

アトピーの皮膚科との付き合い方

アトピーで病院にかかっている人は多いはず。でもその付き合い方に疑問を持っている患者は多い。大病院・有名な先生・アトピー専門・町医者など 間違った付き合い方をしてませんか?

 

「2020年 アトピーの治し方 10選」 → リンク

2020年 アトピーの治し方 10選

2020/05/29更新 世間に色々あるアトピーの治療法から、私が選んだ10選。この組み合わせで、アトピーが良くなります。コントロールできるようになれば、楽に快適に暮らせます。

 

コメント

  1. […] 「アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方」 → リンク […]

  2. […] ほとんどの皮膚科では、こちらが積極的に聞かなければ「アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方」を教えてくれません。自分で勉強するしかない状況です。 […]

  3. […] 「アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方」 → リンク […]

  4. […] 「アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方」 → リンク […]