(2020/12/15更新)アトピーの治療に使える薬がここ数年増えました。現在臨床段階の物もあり、今後も増える傾向にあります。その使用に関し、賛否両論ありますが、目にするようになった名前をまとめてみました。
アトピーの標準治療は、「ステロイド軟膏」による治療です。ただし薬だけに頼ったアトピー治療は身体を壊します。ステロイド軟膏は使い方を誤ると、いつか効かなくなります。副腎疲労が原因と言われています。それは内服も注射も同じでしょう。
私も昔、痛い目に合いました。
薬を使う事の危険性をしっかりと理解しないまま、医者から処方された薬を適当に使うような治療では、アトピーをコント―ロールしている事にはならないので、使い方を知らない人は危険です。
ほとんどの皮膚科では、こちらが積極的に聞かなければ「アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方」を教えてくれません。自分で勉強するしかない状況です。
出来るだけ使いたくないステロイドですが、とは言え知っていて上手に使えば、痒みや炎症を短期間で沈める事が出来ます。ダラダラと使わず、塗る場所と強度を考えて使えば、副作用も少ないのです。
「アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方」 → リンク
今回はステロイド治療とは別の、アトピー性皮膚炎に対し使える新薬についてまとめました。
ここ数年の研究開発の成果によって、アトピーを含むアレルギーに対しての治療法が進んだように思います。くどいようだが、薬だけに頼るような治療は身体のどこかに必ず負担になる。根本解決の大本命は、別にあります。
ただ私は、重度のアトピーで寝たきりの廃人の時期を2度も経験しました。20代の若いころだったので、色々な事を我慢し苦しみながら生活しました。死にたいとも何度も思った。そこまで追い込まれている人にとっては、新薬は一筋の光です。
最悪の状況から早く抜け出し、自分のアトピーを「コントロールできる」レベルまでくれば、私と同じように完治を目指しながら快適な普通の生活が出来ると思います。
アトピーに使える医療薬
名称・銘柄(商品名)など、細かい違いもありますがご了承ください。インタネットで調べれる範囲の物を、まとめてみました。
青:外用 ピンク:経口投与 オレンジ:注射
ステロイド軟膏
日本には、1953年から導入されました。(藤澤皮膚科 藤澤重樹先生:談)
今回は省略します。別のページ「アトピーのステロイド治療の危険性と正しい使い方」 → リンク」を参照ください。
関連おススメ記事 :「アトピーでステロイドを使いすぎているか解る方法と、弱った副腎機能をもとに戻す3つの方法」 → リンク」
関連記事:「脱ステを考えている人へ」 私も脱ステ経験者です。
プロトピック軟膏
一般名:タクロリムス
免疫抑制剤・抗炎症外用薬 1999年使用開始
アレルギー反応を抑え かゆみ 赤み を改善する
副作用:刺激・熱感・ほてり・しみる・腎臓障害 幼児の使用NG
血中への移行が高くなるびらんや潰瘍面には使用できない(要するに傷には痛い)赤みが引きます。
免疫抑制剤である「シクロスポリン」という内服を使っている人は、併用禁止のようです。処方の前に医師から確認があると思います。
詳しい説明ページを作りました。個人の使用感や関連資料もあります。↓
デュピルマブ(デュピクセント)
皮下注製剤 : 遺伝子組み換え製剤 2018年4月より使用開始
ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体
アトピー性皮膚炎・気管支喘息の改善
副作用:注射による痛みと腫れ・頭痛・結膜炎・ヘルペス
使用に関し、動画公開しました。
デルゴシチニブ軟膏(コレクチム軟膏)
世界初となる非ステロイド性の外用JAK阻害剤
細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーに対する阻害作用し、免疫反応の過剰な活性化を抑制する
2020年1月23日製造販売が承認
2020年6月24日 使用開始
用法用量は「成人、1日2回適量を患部に塗布。1回あたりの塗布量は5gまで」
副作用:毛嚢炎・ざ瘡・カポジ水痘様発疹・刺激・赤み
使用禁止部:粘膜、潰瘍、明らかに局面を形成しているびらん
注意:治療開始4週間以内に改善が認められない場合には使用中止
使用に関し、動画公開しました。
ネオーラル(シクロスポリン)
内服カプセル : 免疫抑制剤
副作用:肝機能障害・腎機能障害・多毛・浮腫・貧血・過敏症・胃不快・食欲不振・下痢・膨満感
成人にはシクロスポリンとして1日量3mg/kgを1日2回に分けて経口投与する
(1日量5mg/kgを超えないこと)妊婦・14歳以下NG
免疫抑制剤である「タクロリムス(プロトピック軟膏)」との併用は禁止のようです。処方の前に医師から確認があると思います。
アダリムマブ
一般名:ヒュミラ:注射
遺伝子組換えキット
TNF阻害薬 生物学的製剤
抗ヒトTNFαモノクローナル抗体
米国で2002年に、国内では2008年に承認され、 世界80カ国で約37万人の患者さんに投与されています 3例目
詳しくはこちら → 医療機関へのリンク
インフリキシマブ
一般名:レミケード:点滴静注用
遺伝子組換え 生物学的製剤
TNF阻害薬
抗ヒトTNFαモノクローナル抗体
エンブレル
一般名:エタネルセプト:注射
遺伝子組換えキット
TNF阻害薬 生物学的製剤
完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター製剤
詳しくはこちら → 医療機関へのリンク
ウステキヌマブ
一般名:ステラーラ:点滴静注
遺伝子組換え 生物学的製剤
ヒト型抗ヒトIL-12/23阻害薬
乾癬の症状を抑える作用
詳しくはこちら → 医療機関へのリンク
アザチオプリン
一般名:アザシン錠(錠剤)
免疫抑制剤
副作用:発疹・血管炎・腎機能障害・膵炎・食欲不振・悪心・嘔吐・倦怠感
ミコフェノール酸モフェチル
一般名:セルセプト(カプセル剤)
免疫抑制剤
副作用:いろんな症状(書ききれません)
ウパダシチニブ
一般名:リンヴォック(錠剤)
生物化学的製剤: JAK 阻害薬
副作用:発熱・寒気・発疹・吐き気・嘔吐・腹痛・喉痛・倦怠感 など
2020/11/20の最新情報
アッヴィ、ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対するピボタル第III試験の新たな解析結果を発表 https://t.co/9s3weLGtur
— クリア ラテ (@shareallforone1) November 27, 2020
アッヴィ、ウパダシチニブのアトピー性皮膚炎に対するピボタル第III試験の新たな解析結果を発表
●Measure Up 1およびMeasure Up 2試験の新たな解析結果で、ウパダシチニブ単剤療法が、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人および青年患者さんにおいて、皮膚症状、かゆみおよび生活の質に関する追加評価項目で改善を示す1
●Measure Up 1およびMeasure Up 2試験のトップライン結果において、ウパダシチニブ(15 mgまたは30 mg)が主要評価項目およびすべての副次評価項目を達成したことを2020年初に発表(p<0.001)1
●既報のとおり、これまでに報告されているウパダシチニブの試験と比較して、新たな安全性のリスクは認められず1-4
アッヴィ合同会社は10月28日、JAK阻害薬リンヴォック錠(一般名:ウパダシチニブ)について、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の適応追加を承認申請したと発表した。承認されれば、1日1回経口投与の治療薬となり、同社は「中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者さんに対して、新たな全身治療薬の選択肢を届けることが可能になる」としている。
アブロシチニブ
(2020/12/15 追加)
一般名:アブロシチニブ(錠剤)
製薬会社:ファイザー
生物化学的製剤: JAK 阻害薬
プレスリリース
ファイザーは12月9日、アトピー性皮膚炎の治療薬として経口JAK阻害薬アブロシチニブ(一般名)を日本で承認申請したと発表した。承認された場合、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の治療選択肢となる見込み。米国と欧州でも10月に承認申請され、米国ではブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)指定を受け、優先審査品目に指定されている。
特徴
アブロシチニブは選択的にヤヌスキナーゼ(JAK)1を阻害する低分子化合物。JAK1が阻害されることにより、病態生理学的にアトピー性皮膚炎に関与するとされるインターロイキン(IL)-4、IL-13、IL-31、IL-22、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を含む複数のサイトカイン・シグナルが抑制されると考えられている。
現状の様子
今回の国内申請は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者を対象とした国際共同第3相試験(JADE MONO-1/ MONO-2 / COMPARE / TEEN / EXTEND)の結果などに基づくもの。アブロシチニブ投与群はプラセボ投与群と比較して、アトピー性皮膚炎の徴候、症状、皮膚病変の範囲、重症度に関して良好な改善結果を示し、早期のかゆみの改善効果を示したという。アブロシチニブを単剤投与または外用剤と併用投与したときの忍容性は良好で、アトピー性皮膚炎患者における使用を支持する安全性プロファイルが示されたとしている。
上記引用:
関連情報:
ユークリサ
一般名:クリサボロール(軟膏)
生物学的製剤 :日本未入荷
非ステロイド性ホスホジエステラーゼ4阻害剤
抗IL-31受容体ヒト化モノクローナル抗体
■ 認証待ち など ■
アストラゼネカ/レオファーマの抗IL-13抗体 tralokinumab
ロシュの抗IL-13抗体 lebrikizumab
中外製薬/ガルデルマの抗IL-31抗体 nemolizumab
まとめ
今回記載した薬は、既に日本に入ってきているものもあれば、手に入らないものもあると思われます。国内で流通するものであっても、皮膚科の医師の治療方針次第では、私達が希望しても、処方されない物もあると思います。
また今回紹介した薬は、元々アトピー性皮膚炎の治療薬として使われているものではない物もあるかも知れません。結果的にアトピーの改善にも利用できそうだという事で処方されている可能性もあります。(リウマチ治療と被る部分が多いのか?)
昔からある「ステロイド製剤」は肝臓腎臓に負担になることで、ここ10年ではアレルギーを起こしている物質に直接働く「生物学的製剤」の開発が進んでいる様子です。名前だけ聞くと、少し怖い気もしますが・・・。
研究開発や治験、改良がされ臨床が進み、私達の手に入る新しい薬は、今までの物よりも体への負担が少なく「安心安全」が望ましいと思います。困っている人には、早く届くと良いと思います。
今回の記事を作成にあたり、以下のサイトから情報を参照しました。ありがとうございました。
関連おススメ記事 :↓
新薬の登場が続くアトピー治療ですが、今後の傾向はどういったものなのでしょうか。薬だけに頼った治療はダメですが、薬を使いある程度の状況まで回復させることで、精神体な安定にもつながります。アトピー治療薬の開発の方向を読み解きます。
最後に
長いブログになりましたが、読んでもらってありがとうございます。これからも「ライジン@アトピーでも快適に生きる道」のブログ よろしくお願いします。
あなたのアトピー対策と比べてみませんか?参考になるものがあるかも知れません。↓
関連おススメ記事:「2020年 アトピーの治し方 10選」 リンク
2020/05/29更新 世間に色々あるアトピーの治療法から、私が選んだ10選。この組み合わせで、アトピーが良くなります。コントロールできるようになれば、楽に快適に暮らせます。
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コメント
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