アトピー治療の向かう方向

アトピー治療の向かう方向 アトピーと薬・サプリ

難しい話になるが、少し覚えておいた方がいい情報として人間の遺伝子の話がある。私は医療従事者でもないが、世の中の医療や治療のニュースや、研究開発の情報を見ていると、遺伝子治療の方向に進む事は、間違いないと思います。

 

ちなみに、今すでに出ているアトピーの治療薬としてステロイド以外を下に記載します。

 

1999年に発売された軟膏で「プロトピック軟膏(タクロリムス)」がありますが、これは免疫抑制し炎症を抑える製剤です。

 

2018年4月に出ている「ヂュピクセント」という注射は遺伝子組み換え製剤です。

 

2020年6月に発売になる「コレクチム軟膏」は免疫活性化シグナルを阻害する世界初の軟膏です。

 

これらの薬についても以下で解説します。

アトピー治療の向かう方向は遺伝子治療

アトピーに関する治療も遺伝子治療がメインになってくる可能性があります。遺伝子とは、私達の体の中にあって、簡単に言うと「体の設計図」です。その設計図を使って治療をするという事です。

 

具体的には、病気とか不具合が出る場所の遺伝子を書き換えたり、置き換えたりして、設計図の段階から治療に入るものです。

 

病気になると、辛い思いをしますが、遺伝子治療が本格的になると、病気になる前から治療をすることが出来るので、負担が少なくなります。

遺伝子による技術

10年くらい前に「クローン羊」とかのニュースがあったのを覚えていますか?まったく同じ遺伝子を持った2頭の羊を誕生させることに成功しています。

 

人間の身体の遺伝子は「ゲノム」というもので、既に人間のゲノムの解析は終わっているのです。クローン技術は倫理的な問題もあるので、行く先は解りませんが、遺伝子を操作する事で、長らく苦しんできた病気から解放される問題も多くなります。

アトピーと遺伝子

アレルギー治療に関しても、間違いなく遺伝子治療の方向に向かっていて、事例で言うとアトピーの最大の苦痛である「痒み」に関しては、痒みの伝達経路を断つ研究がされています。

 

今までは、痒みが出たものを抑える方法が主流でした。ステロイドがそれです。2000年代になり、プロトピックもでましたが、これらは免疫を抑制する薬でした。

 

しかし、ヂュピクセントという注射は遺伝子製剤で、痒みの伝達経路を遮断するという方法です。現在開発が進んでいる治療法も、遺伝子製剤のものが多く、治験や臨床段階のものが沢山あります。

 

遺伝子治療を嫌う人にとっては、今までと変わらない治療方法の中から選ぶことになりますが、ステロイド中心にきたアトピー治療と、ステロイドを脱するための「ステロイド離脱症」の苦しみから解放されるのは、大きな進歩だと思います。

 

私は重度のアトピーになって寝たきりの期間がありましたが、正にステロイド離脱症で、更に皮膚感染を起こしてヘルペス脳炎になりかけました。あんな苦しみを考えると、ステロイドの治療だけに頼る事は怖いと思ってしまいます。

遺伝子治療後にも起こる今後の課題

問題点は2つあります。1つは価格の問題。たぶん、遺伝子治療も保険適用が受けられるはずです。しかし、自己負担分であっても相当のお金がかかると思われます。新薬が出てから、その後発剤が出るまでには10年以上かかるため、価格が下がる事もあまり期待できません。

 

2つ目は、心のケア。治療の選択肢が増えますが、治療は長期になるなる場合や、一旦治っても再度炎症が起こる問題があります。

 

これは、アトピーの治療が対処療法であるからです。薬で上手にコントロールできる場合はそれでも良いのですが、根本の部分の改善がされないと、投薬での治療にたいし体内で新たな抗体が出来る可能性が十分にあります。

 

アトピーに対しての適切な生活の指導や、ストレスケアのアドバイスなどは、今の日本の皮膚科医療では無いに等しいです。3分間の診察では、自分の苦痛を先生に伝える事すら出来ていません。

 

問診がしっかりしていない状況で、自分にあった治療が出来るとも思えません。そういった部分が、今後も続くのであれば、どんな新薬が出ても同じことが繰り返される気がします。

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私は自分のアトピーで苦しんだ経験を、誰かに活かしてもらいたいと思ってこのブログやコミュニティーを運営しています。アトピーに対して経験や知識のあまり無い人には、体が良くなるまでに長い旅になる可能性があるからです。私と同じ苦しみは「短いほうが良...
 

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